(no subject)

しけったくうき、蓬色したリノリウムの床がきゅうとなく。人口飽和で人口過多、人の吐く息で教室は明らかに淀んで澱んで湿っていた。安くさいくて古臭い錆びたパイプ椅子にこしかけてお揃いで安くさくて古臭い木目メッキの剥げかけた折り畳み式の長テーブルに頬杖、僕はかるーい溜息をついた。
梅雨って６月だよなあ、思考はそのへんでまるっきり停滞していったりきたりを繰り返していた。
隣の友人は先程から機能停止といったかんじの沈黙を保っていたし、僕も死体みたいに口をつぐんでいた。周囲の話し声が耳に触る、女の子の可愛い声とか男のざらついた声とか、そんなかんじ。